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桃の花咲く里(自宅で結婚式) 撮影後記
自宅での結婚式。


想像通り・・・それ以上に素敵なものでした。

場所は福島県の飯坂温泉の近く、僕は初めて伺う場所でした。
着いた日は雨が降っていて、あたりの景色をどんよりとした色合いに見せていました。
しかし明日の披露宴会場でもある新郎の実家へ近づく頃になると
すこし暗めな雨の湿った雰囲気すら、景色の一つとして溶け込んでいるような日本の田舎の風情が漂い始めます。
新郎の実家へ向かう脇道には所々にある桃の木があり今が盛りと咲く花に目を惹き付けられます。
当然思うのです。
明日は桃の花を使いながら写真を撮りたいなぁと。

実家についてからそんな話をすると「裏に桃の畑があるから行きますか?」
そう新郎から言われます。
もちろん見に行きたい。
頃合いよく雨も上がり新郎新婦と3人で散歩をしに行きました。

実家から出て10メートルくらい歩いた所でしょうか?
僕の目の前には日本の原風景のような田舎の景色がありました。
一瞬脳裏をよぎったのが黒澤明監督の映画です。
何の映画かは分からないし、そんなシーンは無いかもしれないけれど
優しい日本の風景が黒沢映画とリンクしたのかも知れません。

明日はここで写真を撮る。
と自分の中で決めた瞬間でした。
撮るというより撮らせて欲しいと言った方が適切でしょうか。

映画さながらにフレーミングを動かさずに2人が右から左へ動いていく様子をただ順番に切るだけです。
でもその静かさが僕の中ではベストだと感じました。
僕が見た感じたままの思いは静かで優しい風景の日本の生活なのだから。
それから先の桃畑での撮影はいつも通りの思いつきと即興で進めました。
何のためのロケハンか?あんまり考えたく無いかな。。

桃の花はピンクです。
ピンクは少し自然なイメージの色とは違うように感じます。
でもそれは僕の思い過ごし?いやきっと桃のピンクは桃色なんですね。
しっとりとした潤いのある緑や茶色の多い自然の色の中に
この桃色は合うのです。
これも発見でした。

実家に帰れば新郎の小さな時の想い出がたくさんさ残っています。
小学校の頃に遊んだボールの跡から手の跡まで・・・
そんな場所に知り合いを呼んで結婚式。
何とも素敵な話では無いですか。
お披露目というには最も適した場所が実は自宅なのかな?そんな事を感じました。

準備はとても大変だったようです。
お父さんに「想い出に残りますね」と言ったら「いやぁ大変だったよぉ」と笑いながら話してくれました。
その笑顔には嬉しさがあったように思います。

また、ひとつ結婚式は気持ちなのだなぁという事を目の前で教えてもらいました。

撮影させていただき、ありがとうございました。


今回のロケーションにはこの桃畑があってとても素晴らしかったのですが
しかし、普通の生活の景色の中にもたくさんの想い出となる場所があるように感じます。
学校も良いと思います。
近くの公園はどうでしょう?
昔歩いた場所にも何かあるのでは無いかなぁ。
きっと、いつも見ているから気がつかな楽しい場所や素敵な可愛さを持った場所があるのでは無いかなぁ。

ロケーションというのは絶景である必要は無いように思います。
また、「面白い場所」である必要も無いと思います。

今回の桃畑も新郎の実家であり、そこに想い出があるロケーションだったというのが
一番効果的な演出をしていたように感じます。
やはり気持ちや想い出というのは人にとって大切なものだと感じます。

普通の景色の普通の平和が温かいという事もあると思うのです。



森 時尚