十枝の森で自然を思う

十枝の森

この森に行ったのは友人に紹介されてでした。
とても素敵な森だと言われました。

僕は、もうずいぶん前から自然に関して色々と考えたりする事が多くて、頭でっかちなくらいに自然について考えていました。
僕の自然へのアプローチは「心の自然」、ようするに自然体の心でした。
穏やかな?そうでも無いし、静かでも無いし、だって自然は荒々しいこともあれば、冷たいこともあるし、暑いこともあれば、厳しいこともある。
そうして考えると自然とは何だか解らなくなって、ある日、自然の反対語は何だろう?と思うようになりました。
自然の反対語・・。これはなかなか難しかったのです。が、ある日ふと頭に浮かびました。
蟻の巣や鳥の巣は自然と言うけれど、人間の家は自然とは言わない。
獣道は自然と言うけれど、人間が作った道路は自然とは言わない。
虫も鳥も獣も人間も自然の一部なのは間違いが無い。
自然の一部の生き物が同じように何かを作ったのに、片方は自然であり、片方は自然では無い。
この自然の反対語とはいったい何か?で考えついたのが、自然とはモノでは無い。
自然とは、そのエネルギーの流れ方なのでは無いか?
自然とは、流れ方の様子のことを言っているのでは無いか?
そんな答えでした。
無理の無い、横車を押すような事の無い、上から下へ落ちるべくして落ち、登るべくして登る、止まるべくして止まる。
それが自然なのだと思いました。
そして後に、ある本で自然の語源を知りました。

それは「自ずから然るべくようになる。」

この語源は僕が若い頃に随分考えていた事をそのままに現している言葉でした。
そして、この言葉は今の自分のプロフィールのページでも使わせてもらっています。

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そんな自然という概念が好きな僕は森という存在が好きです。(自分の名前なので変な感じですが)
僕が幼い頃に育った東京の清瀬市という場所には大きな森がありました。
僕はよくその森の中に入って遊んでいました。友人とも1人でも、よく遊んでいました。
森の中で色々な音を聞き、光を見、生き物と出会い、たまには怪我もして、森の中で過ごしていました。
それは、都市化が進みつつある東京においては、置き去りにされていた雑木林でした。
誰かが持っている土地だったのだと思いますが、森と共に生きる生活から離れた人々に手放されたように、自然のままに木が生える森でした。

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そして、ようやく本題の十枝の森です。
人が管理をした森。そんな言葉を聞いた瞬間に僕は少し引いてしまいます。人を信用していないという事かしら?(笑
でも人が入ると自然が壊れるというのは地球上で証明され続けて来た事で・・・。
なので、今回こちらの森を紹介してくれた友人が、もし僕と同じような自然感の人で無かったら十枝の森に行って無かったように思います。
それでも、期待半分で行きました。(苦笑
僕らが森に着いた時は誰も居ませんでした。
ただ、森が持っている気持良さは車を置いた場所からも少し伝わってきました。

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十枝の森は、お婆ちゃんの家の周辺を囲んでいます。
木々の立ち方が、そこにあるように立っていました。
意図的にそこに木を生やすには、仙人のような人が必要でしょう。
お庭には小さな道がついています。それは人が渡るように着いた道でしょう。(そう感じられる道です)
草花が群生するように生えています。はたして群生させるように植えたのでしょうか?
僕には植えたようには見えませんでした。
亡くなった十枝の森のお婆ちゃんの言葉が浮かびます。

「特別な事は何もしていないの」
「鳥が運んできたり風に乗ってやってきたりした種たちが、木になり花となって自然が森を作っているの」

自然と共に寄り添うようなその言葉が、この森をそのままに表現しています。

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庭を歩き回ると色々な角度から、同じ場所を見る事ができます。
その見える景色が良いのです。
無理の無いその景色に居心地の良さを感じます。
大きな椎の木が庭に立っていました。
きっとお婆ちゃんより年上です。でもその木はこれからも立ち続けるのでしょう。
花々の間をチョウチョや蜂達が飛んでいます。
草の中ではバッタが居ます。
そのバッタはカマキリに狙われています。
そんな景色は自分の家の庭でも見られる景色です。
同じ景色なのに何故か十枝の森の方が時間がゆったりと流れているように感じるのです。

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今僕は自分の家の庭によく出ます。
もちろん、こんなに大きな庭では無いけれど・・。
でも、お婆ちゃんと同じように自然が好きなつもりで居ます。
同じように自然という事を感じているつもりで居ます。
でも、同じようにはならないという事は
きっと頭で解って口で言っているだけで、心で解っていないのでしょう。

生きている間に一度、お話を聞いてみたかった。

※ 十枝の森の写真はもう少しだけPhotoisdiscovery十枝の森で紹介しています。

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